■コーヒーの精製方法／『ナチュラル』と『ウォッシュト』
じつはコーヒー豆は『豆』と言っていますがサクランボのような赤い実から取り出した『種（たね）』なのです。
写真はかなり均等に赤く熟していますが、左端や奥のようにまだ未熟のものや熟れすぎたものも結構混ざる形で成長するので
品質を揃えるためには手で一つ一つ摘んでいきます。
その実からどうやって種を取り出すのか？が「
精製方法」となります。
４つの基本的な方法がありますが、最近は酵母を使う新しい方法なども出始めており、説明がややこしくなるのでここでは本当に基本的な２つ、
『ナチュラル』と
『ウォッシュト』だけに絞って本当に簡単に説明します。
…インターネットで調べるとたいていの説明はコーヒーの実の断面図から始まります。
おそらくそれだけで「難しそう」となるのでそれもヤメましょう。
サクランボで説明します。（真ん中に種がある果物を想像していただけたらOK！)
□ 収穫したサクランボを赤い実のまま棚（もしくは床）に広げて乾燥させ、乾いたら皮とか果肉とか種の周りのものを取り除いて、種だけにする。
…これが
「ナチュラル」です。
□ 収獲したサクランボの皮と実をまずはがして、種の周りにまだ残るネバネバをしばらく水につけて洗って取る。そして乾かす。
…これが
「ウォッシュト」です。
「ナチュラル」は水は使いません。収穫した実を広めの土地（棚）に広げて、十分乾くまでに実をひっくり返したりする手間はかかります。
「ウォッシュト」には水が必要です。排水の問題も出てきます。
…コーヒーの生産にもその土地土地によって水が確保できるか等々いろいろな事情があるんですね。
味（香り）の方はざっくり言って
・ナチュラル＝華やか、フレーバーが強く残る、力強い
・ウォッシュト＝クリアー、明るい、上品な感じ
に仕上がります。
さてこれはコーヒーの “優劣” ではなく“多様性” です。飲む人の好みですし、時々の気分で変えるのも楽しいです。
当店はコーヒーのご紹介のところに必ず
・品種
・精製方法
を記載するようにしています。
品種も “優劣” ではなく “多様性” です。
パナマの「ゲイシャ」やケニアの「ＳＬ28」など人気の品種もありますが、国政・国策として一つの品種しか栽培が許されていない国もあり、地域の生産者のことを想像するのも “コーヒーを知る” “コーヒーを楽しむ” 上で大切な要素だと思います。
品種や
精製方法のご紹介がその一助になればと思います。
