■淹れ方を「出来上がり量」から考える
コーヒーを淹れる時、一番重要だと思うのは “はかること” です。
量を測ることと
時間を計ること。
難しくはないです。
・コーヒーサーバー（あるいは計量カップやマグカップ）の下に キッチンスケールを置く。
・ストップウォッチを準備する。
の２点だけ。
専門的なコーヒースケールでなくお料理で使うキッチンスケールで大丈夫ですし、ストップウォッチもスマホに搭載されている機能や百円ショップで買えるようなもので充分です。
コーヒーの淹れ方は様々なところで様々な方が紹介しています。
“はかること”にも皆さん言及はされていると思います。
ただ気になるのは…どこに着目しているのか？です。
淹れることに使う “道具立て” であったり “作法” 的なことにこだわりすぎると淹れることが億劫になってしまいます。
毎日の事となるとなおのこと…。
（あ、これは見せることにこだわるカフェだったり、スタイリッシュさに気持ち良さを感じることを否定してはいませんよ）
当店は日常で常日頃飲むコーヒーを美味しいものにしたい、コンセプトである「傍らのマグカップに是非美味しいコーヒーを！」の観点から
“出来上がりの量” に着目しました。
淹れる方法はハンドドリップを想定していますが、少し前の老舗メーカーのレシピですと大抵は“マグカップ”ではなく“カップ＆ソーサー”向けのもので、一杯が 140ccを想定しているものが多いです。
また最近のレシピですと「豆とお湯の比率が 1：16」とか数学的な要素が前面に出てきてわかりづらかったり…。
当店ではまず
「ご自宅でコーヒーを淹れるとき実際どのくらいの量が必要なんだろうか？」という点から考えてみました。
自分だけで飲むマグカップ一杯分から、たくさん淹れる時でもサーバーを２個使う（あるいは２回使う）ことは無いのではなかろうかと考え、出来上がり量にして
200cc〜500ccの範囲でのレシピがあれば良いのでは？ なおかつ簡単であればと思いました。
結果、この範囲（200cc〜500cc）であれば
「100ccに対して8g」だけ記憶していれば大丈夫！ということに…。
（この範囲を外れると粉量を増減して調整したり、淹れ方をちょっと工夫する必要が出てくるかと思います）
細かなことを言うと本来は「200ccに対して15g」が基準点ではあります。ただこれですと300cc・500ccとなった時に計算が煩わしくなってしまうので…。
何よりそんなに細かく厳密に考えなくても
新鮮な美味しいコーヒー豆なら美味しいコーヒーが入る のです！（断言）
下の写真は自分がキッチンに貼っていて、毎朝淹れる時に念のために確認している表です。
朝はボーっとしているので、表にしてキッチンの淹れる所の前に貼って、チラチラ確認しながら淹れています。
見ているのは
“ハカリの表示数値” のところだけですけどね。それも実はけっこうアバウトに…
一番最初にお湯を注ぎ始める「１投目」は粉量と同じ量です。
すぐにサーバーから滴り落ちるのではなく、30秒ほどで粉全体にいきわたる程度にとどめます。
ポタポタ滴る程度であれば問題ありません。あまり神経質にならなくて大丈夫です。
次の２投目で、注ぐお湯の４割までを使います。
その後、残りの６割を３回に分けて注ぎます。
淹れ終わるまでの時間は
2分20秒〜3分くらい。
豆を粉にする挽き目（細かさ）は、いわゆる
『中挽き』が基準です。
どの量（200cc~500cc）でも時間は３分以内くらいで淹れたいので、注ぐお湯を細くしたり太くしたりする感じでしょうか。
だいたいの時間が来て、ドリッパーの下からの出ているコーヒーが “ツー” という線状から “ポタポタ” という点状になったらドリッパーを外します。
これでだいたい想定の量がサーバーに抽出されていると思います。
よく「ドームのように膨らまないのは淹れ方が下手」とか思われているようですが、膨らまないのは 粉が新鮮ではない or 浅煎りの豆である場合です。淹れる人の問題ではありません。大丈夫です。
…逆に言うとローグレード（低品質）の豆でもドームのように膨らみます。「膨らんだから美味しい」ではないのです。
この表は今後ご購入時に同梱することを考えています。
ですが人それぞれに好みもありますし淹れ方は自由。どの方法も正解と言えば正解。コーヒーマシンで淹れるのもありだし…と思っています。ご不要であれば破棄してください。
特にコーヒーマシンで淹れている方はその機械の説明書きの方が多分良いと思います。
本当は実店舗があって目の前でお淹れしたり “コーヒー教室” のような感じでできれば「あ、簡単なのね」とわかっていただけると思うのですが、文章ですとなかなかお伝えきれずもどかしい限りです…。
“出来上がり量から考える” ことが、少しでも日常のコーヒーの楽しみ方のお役に立てればと思って文章化してみました。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
