■『水出しコーヒー』で『アイスコーヒー』は作れない?
〜『水出しコーヒー』と『アイスコーヒー』はそもそも違う〜
…ヘリクツっぽくてごめんなさい。まずその言葉から考えていきましょう。
『水出しコーヒー』は“水で出したコーヒー”、つまりアイス（冷たい）ともホット（温かい）とも言ってない。
『アイスコーヒー』は“アイス（冷たい）コーヒー”、つまり「どうやって淹れたか？」は言ってない。
…ということです。
でも想像するコーヒーは両方とも多分こんな感じ。
夏場は、特にここ最近の夏はメチャメチャ暑いので、この（上の写真の）コーヒーをササッと作って飲みたい！ ですよね？
では一口飲んだところを想像して………どうですか？ その味や香りが口の中や頭の中に広がって来ましたか？
ちょっとそれを覚えておいて下さいね。
…で、「ササッと」できるかどうかはちょっと置いておいて、まずは作り方です。
たいていのコーヒーショップが２種類の淹れ方を説明しています。
【急冷式】と、そして【水出し】です。
簡単に言うと、
■急冷式＝濃いめに淹れたドリップコーヒーを氷で急速に冷やしたもの。
■水出し＝お湯ではなく水を使って、時間をかけて（８時間とか）淹れたもの。
ですから「急冷式」はお湯を沸かしたり、普通にホットコーヒーを淹れる工程に、プラス “氷” というひと手間が加わります。
…ちょっと面倒くさい…。
「水出し」は麦茶パックのようになっていたりしてとっても簡単。
…でも時間がかかる…。
多分いろいろなお店やメーカーが、「急冷式」「水出し」両方の方法で、先程の写真のようなモノ（いま皆さんの口の中・頭の中に想像されている味や香り）を作り出そうと研究しているのではないか？と思います。
う〜ん…「急冷式」と「水出し」両方で同じ味……それは無理ですね。
多くの方がいま想像しているであろう『アイスコーヒー』は、
・“しっかりとした強めな苦味” があり、
・“香ばしくスモーキーな香り” を感じつつ、
グラスの中で氷を溶かしながら（＝少し薄めながら）、なんならミルクを足したりガムシロップを入れたりしながら楽しまれているのではないかと…。
その『アイスコーヒー』は「急冷式」で作る方が適しています！ もう断然。
多分お店でもそうやって作っています。
さて、『水出しコーヒー』でその
■ しっかりとした強めな苦味
■ 香ばしくスモーキーな香り
を再現しようといろいろ試してはみましたが、どうしても「ちょっと違う」ものになってしまいます…。
で・す・が！
「水出し」がマズい、のではありません！！
あの “想像した味” ではない、それだけです。先入観を捨てて、もう一度味わってみましょう。
『水出しコーヒー』は、
■ 軽やかで飲みやすく
■ 豆の持つ華やかさがゆっくり拡がる
ミルクや甘みを足さなくても、飲んだ後も爽やかな印象を残す「別の飲み物」だと思うのです。
冷蔵庫でしっかり冷やせば氷を入れなくてもいい、むしろ入れない方がいい感じかも…。
甘いものばかりでなく、ワインの感覚でお料理にも合うかも？？
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
当店は、以下のように提案します。
■『アイスコーヒー』は、是非お好みのコーヒー豆を使っての “急冷式” を。
（深煎りの豆なら、その想像に近い味になりますし、中煎り・浅煎りの豆でも香りが立って美味しいコーヒーになると思います。）
■『水出しコーヒー』は、就寝前にセットして翌日お楽しみいただける、アイスコーヒーとは別の “水出しコーヒー” という飲み物として。
（時間経過による劣化が少ないので、保冷ボトルやタンブラーに入れて持ち歩くのにもお薦めです。）
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
そして、それぞれに合うスイーツやお菓子、あるいはお料理、似合うシーンなども考えながら、
四季折々『傍らにコーヒーのある生活』をお楽しみいただけたらと思います。
