■ あえて『スペシャルティコーヒーの店』とうたわない
「スペシャルティコーヒー」とは？という定義の説明は割愛します。
Google検索すればすぐに調べられますしコーヒー好きの方はもう聞き飽きていることでしょう。
スペシャルティコーヒーに対する言葉で「コモディティ（コマーシャル）コーヒー」があることもご存じですよね？
「スペシャルティコーヒー」は当然美味しいし正しい考え方です。
サスティナビリティ、トレーサビリティ、もちろん重要です。
…ただ何か大切な感情が漏れている。すくい切れていない。
すくいあげた手のひらから大切な何かを取りこぼしている気がするのです。
「コモディティ（コマーシャル）コーヒー」には問題がある。
品質も劣るし流通にも問題だらけだ。
恐らくそのとおりなのでしょう。
…でも「理由」があるはず。そこにあるのは悪意ばかりでないはず。
勝者が生まれれば敗者も生まれる。敗者は本当に「ダメなもの」なのでしょうか？
…観念的な話になっていますね。戻しましょう。
つまり「あと僅かでスペシャルティになったはずのコーヒー豆」も存在しているわけです。
またスペシャルティを作り上げようと努力している途中の農家さんもいて
その「途中のコーヒー豆」を出荷されているはずです。
『スペシャルティコーヒーの店』と名乗ってしまうとそんなコーヒーの紹介もできなくなってしまいます。
「スペシャルティコーヒーの店」と書いていないから「コモディティ（コマーシャル）コーヒーの店」なんだ
ということではありません。
当店が並べているコーヒーは結果「スペシャルティコーヒー」になりました。
しかし誰かが付けた点数・他人が引いた線を基準にコーヒーを判断してしまうのはあまりにもったいない。
どうぞいろいろなコーヒーを飲んで楽しんでいただきたいのです。
“コーヒーを楽しむ”ことはコーヒーだけを楽しむことではないですからね。
淹れてくれた人の思いや淹れてあげた人への想い。
自分だけでも、二人でも、大勢でも。
今いる空間・目にする景色・耳にする音楽・口にするケーキやお菓子…。
あるいは目を閉じて思い巡らす様々なこと…。
なので当店はあえて「スペシャルティコーヒーの店」とはうたわず
スペシャルティ未満だからといって否定するものでもなく
純粋に美味しいコーヒーを探しご紹介していきます。
そして『COFFEE』そのものと共にそれが傍らにあることによって広がっていく世界をお楽しみください。
