DETAIL
当店初のタンザニアのコーヒーです。
タンザニア？ そうですね…大手企業が昔（今も）『キリマンジャロ』と言って売っているので国名表記はわかりにくかったかもしれません。
「日本といえば “FUJIYAMA” だよねー」というのと同じ感じで『キリマンジャロ』って名付けたのでしょうか…。
そんな『キリマンジャロ』の頃のタンザニアコーヒーの特徴は、ちょっと“鋭角的な”酸味だったと思います。
好きな人は好き、嫌いな人は明確に嫌い。
しかし隣国ケニアと共に、スペシャルティコーヒーとして進んできたタンザニアのコーヒーは、もうそんな一面だけではありません。
ちょーっとケニアの方が有名かつ人気になっている感がありますが、タンザニアだってなかなかどうして、並び立つか時に追い越すかくらいのクオリティー・味の複雑さがあります。
そしてなにより今回選んだのは “アナエロビック”！
この精製方法についてはかつてエチオピアのアナエロビックを取り扱った時に書きましたが、サクランボのようなコーヒーの実から中の種（コーヒー豆）を取り出す工程で、密閉（酸素を遮断する）期間を設けること。
他の精製方法でも果肉を取り去るのに“発酵過程”は経るのですが、密閉することで酸素を嫌う酵母による発酵が進み、コーヒーの持つフルーツ感が濃厚になります。
かつてはかなり少数派で、密閉時に他の酵母や別の素材を入れてそのことを明確に表示しないところも見受けられたので、当店も懐疑的になっていた時期もありました。
コーヒーの味（風味・香味）の違いは植物としての品種の違いと、成長する土地土地の違いが生み出すもの。ワインと同じです。この根本的な部分はこの先も変わらないと思っています。
しかしそれをより引き出そうとする努力はきちんと評価しなくてはなりません。
アナエロビックもいろいろな国・地域で見受けられるようになりましたので、当店のものに限らず、もしカフェなどで見かけたらぜひ試してみてください。
さて、今回の 『ンソガ アナエロビックナチュラル』
深煎りでご用意しました。
エチオピアのアナエロビックの時に感じた、なんというかゴージャスな感じとは違い、整えられたというか上品な感じがします。
嗅がなくても飛び込んでくるような香りではなく、呼吸する中で自然に香ってくるような甘めの香り…。
キリマンジャロらしい酸味は軸としてあるのでしょうが上手く背後に隠れ、飲みやすい口当たりとチョコレートのような感覚。
エチオピアは淹れたてを飲んだ瞬間に爆発的に広がる華やかさが（アナエロビックでなくても）ありますが、こちらは冷めていく過程で花開いていくようなコーヒーです。
ゆっくり向き合うのも良し。
お仕事の傍らにマグカップで用意して、忘れた頃に「冷めちゃった…けど美味しい！」となるのも一つの楽しみかたです。
■標 高：1,700〜1,800ｍ
■エリア：ソングウェ、ンボジ
■農園等：ンソガAMCOS ※AMCOS…Agricultural Marketing Cooperative Society
タンザニアにおける生産者の協同組合
■品 種：N39、KP423
■精製方法：アナエロビックナチュラル
■『豆』の状態でお届けいたします。
…粉にしてしまうと、空気に触れる面積が増え、酸化が急速に進んでしまいます。コーヒー本来の美味しい酸味ではなく、劣化して「酸っぱいコーヒー」になってしまう為、当店では『豆』でお届けしております。
（別途、「ドリップバッグ」という形で15ｇに小分けにした商品はございます。小分けにすることで極力酸化を抑えるようにしていますが、出来れば豆で購入していただき、淹れる際に都度、挽いていただけると幸いです。）
